京都流議定書2011

京都流議定書2011イベントレポート
これからの日本を考える

出演:前原誠司氏(衆議院議員)

これからの日本を考える・前原氏 約300名のご来場者様で埋め尽くされた会場は、どこか少し緊張感をもっていました。そのような中、前原誠司衆議院議員のご登壇。

「日本の経済を発展させることが、被災地を復興させることにつながるのではないか。」と、国土交通大臣、外務大臣を歴任したご自身の経験から世界に目を向けた日本の経済戦略についてご講演いただきました。

「まず、日本の現状について皆さんと一緒に確認させていただきたいと思います。」と、深刻な社会問題である少子高齢化について言及。

「15〜64歳までの“働いて社会を支える”方々の層が今後ますます減っていき、65歳以上の方々の割合が23.5%から40%と増加していくことは火を見るよりも明ら。そうした中でさらに現在の国家予算。92兆円あまりの内、4分の1ほどが”真水“ではなく、新たな借金として国債を発行している。」

「これからの日本社会の先行きがますます不安に感じる中、今回の大震災が起こりました。」

このような現状で、日本をどのように元気にしてゆくか――
「それはあらゆる分野で活気のある事業を行い、新たに”儲け”を生み出していく。経済をいかに活性化していくか考える必要があります。」
経済外交における五本の柱
1.自由な貿易体制
2.インフラ海外展開
3.資源、エネルギー、食料の安定供給
4.観光
5.ジャパン・ブランド

“売って儲ける”ということならば、自由貿易協定を結んで関税を減らしていく観点が望ましいとして、農業も視野に入れた抜本的な自由貿易協定の重要性を指摘。FTAを締結するメリットとして米国、EU市場における日本製品の価格競争力強化を挙げられました。

「大臣経験の中で痛感したこと。日本の技術力は本当にすばらしい。」 「しかし、民間だけに任せておけば問題ないということではなくなってきている。」 日本の技術と資本で世界展開を、民間の資金とノウハウで社会資本の充実を。 国と民間企業が協力し、海外のインフラ需要を狙っていくことが日本の技術力を活かした経済発展になります。

「日本はエネルギー・鉱物・食料等、資源の多くを輸入に頼っており、資源安全保障の維持、強化は日本の基本的外交目標の一つです。」 近年、資源価格は歴史的に高騰。新興国におけるエネルギー需要の増大、気候変動対策への取り組みの必要性等、資源を巡る国際環境も変化してきています。

「エネルギーの問題。正直なところ国の視点が“迷走”していると、私は感じている。」 安全性を確保した上での再稼働は大前提。しかし、全ての原発を一気に止めてしまうということは、日常生活や企業活動において大きな支障をきたすという現実があります。まずは安全性の確保。そして福島の検証を迅速に行うべきであり、そこから徐々に原発に依存しない方向へとシフトしていかなくてはいけない。自然エネルギーの活用なども考え、世界に対して模範となるようなライフスタイルを目指すことが、日本の求められている役割の一つなのかもしれません。

「最後に京都を取り巻く現状について。昨年は海外観光客が過去最高でした。アジアからの観光客が多く日本へ訪れていただいた。」 しかし、3.11を機に観光客は大きく減少しました。徐々に回復傾向にあるとはいえ、アジアにおける需要の取り込みという点を改めて認識する必要があります。日本の強みをもっとアピールし、アジア圏からの観光客の取り込みを図っていくことで経済効果を生み出すことが必要となります。そのために、国内の航空関係を整備し日本に行きやすい取り組みを行うことが求められます。

最後に、 「京都が元気、というより日本が元気になる。そのことが東北への支援に繋がっていく。御清聴ありがとうございました。」 とのお言葉をいただき、会場が拍手に包まれる中、この講演は幕を閉じました。

(文責:浦山)

これからの日本を考える・前原氏

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